私が支援するほとんどの方は、脂肪の減少と筋肉の増加の2つを目標にトレーニングを行なっています。そして、その目標の達成に重要になってくるのが睡眠です。質の良い睡眠は、摂取カロリーや毎週行うトレーニングの回数と同じくらい大切だと私は思います。
今日のブログ投稿では、睡眠の大切さ及びなぜ全てのクライアントに睡眠時間と睡眠の質を記録するように依頼しているかについて紹介していきたいと思います。
十分な睡眠とは
まず、十分な睡眠とはどういうことを意味するのでしょうか?毎日7~9時間の睡眠をとることが米国睡眠医学会によって推奨されています。さらに、若年成人、定期的に運動をする人、持病のある人に対しては特に9時間の睡眠が推奨されています。
また、日頃から継続的に7時間未満の睡眠しかとれない人は慢性の睡眠不足症であることが疑われます。慢性の睡眠不足症の症状については後ほど紹介していきます。
みなさんは、自分の睡眠時間を測定したことがありますか? 2021年に行われた「睡眠に関する調査の参加者17519人の日本人労働者」の1人だとしたら、1日あたり6.6時間の睡眠しかとっていないことになります。日本人の大半が慢性の睡眠不足症を患っています。慢性の睡眠不足症は深刻な問題であり、さまざまな形で私たちの体に影響を与える可能性があります。
睡眠は体重にどう影響する
それではまず、体重と脂肪の減少への影響を見てみましょう。多くの研究により、毎晩7時間以上の睡眠をとらないと、次のような症状を招くことが示されています。
- インスリン感受性の低下 – インスリンは膵臓から分泌されるホルモンであり、グルコース(ぶどう糖)をエネルギーに変える作用の補助をしています。インスリン感受性が低下すると、膵臓は血糖値を調節するために通常より多くのインスリンを分泌しなければなりません。そうなると、2型糖尿病になる可能性が高くなります。
- 耐糖能の低下 – 耐糖能は、血糖値を正常に保つためのグルコースの処理能力のことを意味します。耐糖能が低下してしまうと、血中の糖が増加し2型糖尿病の発病に繋がる為、耐糖能の低下は危険信号のひとつです。
- レプチンの減少 – 脂肪細胞から分泌され、脳に満腹感を伝えるホルモンです。
- コルチゾールの増加 – コルチゾールは代謝に役立つ副腎から分泌されるホルモンです。体のコルチゾール値が増加すると、体重増加と高血圧を引き起こす可能性があります。
- グレリンの増加 – 胃から分泌される食欲を促すホルモンです。
- BMIの増加 – BMIは身長と体重から算出される肥満度を表す数値です。(高い数値=NG)
睡眠は体重を影響する?
これらは睡眠不足によって引き起こされる悪影響です。これから、十分な睡眠がどのように比較されるかに関する研究を見てみましょう。過体重の40代の参加者を2つのグループに分け、ダイエットを行ない結果を比較した研究が2010年に行われました。片方のグループの参加者は1日あたり5.5時間、別グループの参加者は8.5時間の睡眠をとり、結果を比較しています。
2週間のダイエットの後、1日8.5時間の睡眠をとったグループの参加者は、他のグループに比べ55%もの減量に成功しています。さらに、より多くの減量に加え、筋肉を保持や空腹感の減少にも繋がったことが証明されました。
この研究は期間がかなり短かったので、80人の過体重の成人を対象とした4週間にわたる2022年の研究も見てみたいと思います。この研究に参加した方々は、1日あたり平均6.5時間の睡眠をとっていました。この研究では、睡眠カウンセリングを使用して、参加者の睡眠の質を改善し、平均睡眠時間を7.7時間に増やすことに成功しています。
研究中には参加者のカロリー摂取量が測定されていましたが、減量に関する指導は提供されませんでした。その上、参加者の1日あたりの食物摂取量は平均270カロリー減少しました。これはマクドナルドのハンバーガー1つ分に相当します。この研究では、十分な睡眠が減量にもたらすプラスの効果、そして実生活で実践しやすいことを示しています。
睡眠と筋肉の影響
紹介したい最後のポイントは、睡眠不足が筋肉の増加に及ぼす影響についてです。
睡眠不足は筋肉の増加を妨げる?次のようなことを引き起こす可能性があります。
- 筋肉タンパク質合成の減少 – 一晩徹夜した場合、筋肉タンパク質合成が18%減少したことがある研究によって証明されています。
- 異化作用 – 同研究によると、参加者のコルチゾール値が21%上昇したことも示されています。コルチゾールは、副腎から分泌される異化ホルモンであり、エネルギーとして使用される体組織 (筋肉を含む) の分解を援助します。また、筋肉タンパク質合成を停止または減少させることも示されています。
- テストステロン数値の低下 – また別の研究では、一晩5時間の睡眠を1週間続けた後、参加者のテストステロン値が15%低下したことが示されています。テストステロンは、男性と女性の筋肉の成長に関与するホルモンです。
最後に
これらが、筋肉の保持または増加を目指す人々にとって、少なくとも7時間の睡眠が不可欠である理由です。また、睡眠は生活の質の改善や減量に重要なことだと思います。今後、運動が睡眠に与える影響に関する研究や、睡眠の質を向上していくためのコツを紹介するブログを投稿していく予定です。
それまでの間、フィットネスの目標をより早く達成し生活の質を向上させるためのあなたに合わせたプランを無料カウンセリングで一緒に考えましょう。最後に、このブログの内容が参考になったと感じたり役立ったと感じたら、ご家族の方やお知り合いの方にも紹介していただけると嬉しいです。
See you next time~